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5分も経たずに会社へ着いた。入口の前で深呼吸し、扉を開ける。
肝心なのは最初だ。まずは大きくはっきりとした声であいさつを。
「おはようございます!私は」
「お、おい君!!なんだその恰好は!!」
挨拶を遮るかのように大声を出された。
思わず怯み、相手をじっと見てしまう。
面接で、面接官を担当していた男性が、驚いた様子で自分を見ていた。文字通り目を丸くしている。
恰好?何てことない。自分はスーツを着ているはずだ。
自分の服装を確認しようと、頭を下げる。
「……あっ」
そうして、最大の忘れ物をしていたことに気付いた。
パジャマのままだった。
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