樹は星へと伸びる

オリテ

　今日は初めての担任の授業だ、とは言っても、最初の授業はオリエンテーションだ。

　オリテは楽だから良い。こういう成績のつけ方ですとかノートはこういう使い方をしてくださいとかを、生徒は今年こそちゃんと勉強するぞという気持ちで聞く。

まあ、そのやる気は1週間後には大体なくなっているものだが。

キーンコーンカーンコーン

授業開始のチャイムと同時に、先生は教室に入ってきた。
遅れてくれても良かったんだゼ？

「号令お願いします」

姿勢よく立って、皆が席に着いていることを確認し学級委員に言った。

「起立」

椅子を引く音が響く。隣のクラスからも聞こえてくる。この音、結構うるさい。

「礼」

皆、バラバラに礼をして座った。中にはほとんど頭を下げずに座った奴もいる。

こういうとき、変な頭の固いうるさい先生なら、やり直しをくらうところだが、先生はしっかり礼をしたあと教壇に立ち、出席簿に何やら書いていた。