樹は星へと伸びる

昼ごはん

「母さんが、作りました。」

ちょっと恥ずかしい。

「お母さんでしたか！こんなお弁当作って下さるなんて、素敵なお母さんですね。」

そうか？全然素敵なお母さんなんて程遠いおばさんだろ。うるせえし。

「先生も、久しぶりに実家のご飯がたべたいです」

にこやかに話しながら、ポットでお湯を沸かしている。

「目黒さん、コーヒー飲めますか？」

「え？ココアなら飲めます。」

先生は一瞬きょとんとして、ぷっと吹き出した。

「そうですか。なら、ココアを淹れましょう…！」

そんなに笑うなんて失礼だな…！でも、先生がこんなに笑ってるの初めて見た。