樹は星へと伸びる

ココア

「あはは…実は、お恥ずかしながら、料理あんまり出来なくて…お昼ごはんはコンビニで済ませてしまうこと多いんです…」

目黒さんは首を横に振ってくれた。優しいな。

あ、目黒さん、ちゃんとしたお弁当だ。もしかして、自分で作ったのかな？

「目黒さんは、とても美味しそうなお弁当ですね。自分で作ってるの？」

どうなのどうなの？

「母さんが、作りました。」

あー！！お母さん！
いいな。お母さんのお弁当。俺も昔は作ってもらってたっけ。

「お母さんでしたか！こんなお弁当作って下さるなんて、素敵なお母さんですね。」

目黒さんは、少し恥ずかしそうな顔をしている。わかるよわかるよ。そのぐらいの年頃って、なんだかお母さん関連の話は気恥ずかしいよね。