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60いったぞー!と、思っていると、息を切らしながらよたよたと俺の方に向かってくる男子生徒が視界に入った。小林さんだ。
あれ?でも、体育館の外から来た?水でも飲みに行っていたのだろうか。
「よっ…よみせんっ…!!」
「ど、どうしました!?大丈夫ですか!?」
具合でも悪いのだろうか。心配だ。
「大丈夫です!!そんなことより、目黒、教室に多分水筒とタオル忘れてるんすよ!体育館の隅にあいつのなくて!俺が抜け出したら怒られるから、先生、取って来てやって下さい!!」
それは大変!小林さん、自分も疲れているというのに、友人のことを一番に気にかけるとは、なんと心優しい…
「分かりました!取ってきますので、小林さんは休んでいて下さい!」
そう言って、小走りで教室へ向かった。
教室に着く頃には少し息が上がっていた。どんだけ体力ないねん。でも、目黒さんはもっと辛いのだ。急いで水筒を届けねば!
急いで体育館に戻ったが、目黒さんはまだ走っていた。本当に尊敬する。
100いったとき、目黒さんはついにリタイアした。よく頑張った!!
みんなが水筒を置いている体育館の隅に息を切らしながら歩いてくる。目黒さん、君の水筒は俺が持っているのだよ。
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