懐かしのシャトルラン

6/6
前へ
/102ページ
次へ
「お疲れ様です」 声をかけると、汗をかいて火照った顔がこちらを向いた。 「これ、教室に忘れてましたよ?」 少し驚いたような顔をしている。そっかそっか、持ってきたと思ってたんだね。小林さんがいてくれて良かったねえ。 目黒さんに水筒とタオルを渡した。 「小林さんが教えてくれたんですよ。目黒さんの荷物が教室にあったから、先生取ってきてやって下さいって。」 目黒さんは、眉を少しひそめて、向かいにいる小林さんの方を向いた。小林さんは爽やかな笑顔でグッドサインを出した。なんて素晴らしい友情!素晴らしい人間!見習わなくては。 そういえば、シャトルランのとき、暗い顔してたらクラスの人達が一緒に頑張ろうって言ってくれてたっけな。 あんなに嫌だったシャトルランが、なんだか懐かしく感じられた。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加