E.D.F

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 ○月×日。  今日もE.D.Fはさして効果のない火器弾薬を垂れ流しにしている。全く戦果をあげていないわけではないが、余りにも非効率的な展開に、そろそろ手を打たなくてはいけない段階に来たのではなかろうか。  数多の犠牲の元、わずかに入手した敵のオーバーテクノロジー。地球人類にそれを活かし、明日を勝ち取るだけの知恵があるか、今が試される時だろう。  それにしても彼らの侵攻速度は異常なほど遅く、非力だ。あの科学文明を持ってしてもこの程度となると、やはり重大なアクシデントが起きたとしか考えられない。もしかすると転送装置に問題が発生したのかもしれない。ともなれば、増援はかなわず手持ちの戦力で戦い抜かなければならないのだが。  ここで私はあることに気づいた。  問題は、彼らの母星側にあるのでは。  何にしても、予め備えはするのが基本である。故になのだ。転送装置も一つではないはずだ。彼らにとって転送装置は、母星に残してきた同朋を呼び寄せる重要な物だから。  となると、彼らの母星は既に壊滅的状況に陥った可能性が高い。あるいはもう消滅しているのかも。  であるなら長期戦は免れないだろう。  
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