E.D.F

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 △月×日。  傷が癒え、ようやく起き上がり動けるくらいに回復したのはあれから五日後だった。  その間私は、私を救ってくれた兵士から様々な話を聞くことができた。  私が負傷した後、兵士たちはあの彼ら三人を殺害し奇跡的に生還できたと言う。こちらもかなりの死傷者を出したが、数で押し切り彼らを征圧したようだ。報復を恐れたが、それからしばらく彼らは一切攻めてこなかった。  私と兵士は、許される分だけの酒を酌み交わし、生の喜びを噛み締めた。  兵士には郷へ疎開させた家族がいるらしい。子供も三人いるようだ。  今だから話す。と、前置きされ、あの時遭遇した三人の子供兵を見た時はヘルメットの下で涙を流したと言う。自分の子供と同じ年頃の姿をしていれば、常人なら銃口など向けれるわけがない。一見、沈着冷静に見えた兵士もそこは人の子。心中察する。  だが、それなのに何故引き金を引いたのかは聞かなかった。それは兵士を侮辱する事になるから。私が救われたのも彼の英断があってこそだ。  首にぶら下げたロケットを開き、家族の写真を見つめながら微笑む彼の姿は、前線で命のやり取りをする兵士には到底見えなかった。  こちらまで幸せをお裾分けしてもらったようで、人間の温もりを感じた。  彼には、出来ることなら生き延びていつか家族のもとに帰って欲しいと願った。  出来ることなら。
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