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△月□日。
しばらく沈黙を続けていた彼らだが、再び侵攻が始まった。
戦況はかなり悪化してきた。
現段階の地球人類がオーバーテクノロジーを理解するには、やはり時間がかかるのか。相手から手に入れた貴重な情報も、手に余る様だ。打開策もないまま、相手の必要最低限に絞られた戦力でじわじわと追い詰められていく。
その矢先だ。
まだ前線への同行がかなわぬままベースキャンプでの活動を余儀なくされた私は、その一報を聴いて頭が真っ白になった。
あの兵士が戦死した。
エドガーと言ったな。
私は声もなく泣いた。
この星に来てまだ数ヶ月だが、私もすっかり地球に馴染み愛着すら湧いてきた。そして、友もできた。まだまだ未発展だがそれも踏まえてとても魅力ある種族だ。星そのものも素晴らしく美しい。潜入調査とは言え、判断が鈍りそうなほど私は地球人類に近づきすぎた。
忘れてはならない。私はあくまでこの星を侵略対象にするかを決める判断材料を集め、母星へ報告するメッセンジャーなのだ。
だが彼の死で私は決断することができた。
この星は我々が治める。
エドガーの意志は我々が引き継ごう。
どのみち地球人類は滅びる運命。ならば、得体の知れない奴らに滅ぼされるくらいなら、いっその事我々の手で安らかに葬ってやるのがせめてもの手向け。
地球は我々が守ると誓う。
エドガーよ。
忘れないでくれ。
永遠に。
(了)
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