人間の病

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わかってないな、 数少ない自分が共感できる音楽を繰り返し聞いてお腹がなった。 今日もすでに午前中が終わる。午前中なんてあってないようなものだ。いったいどこの誰が午前中なんて概念を発見したのか、起床なんて昼にするに決まっている。 期待外れの歌たちを適当に飛ばして、小さな落胆と投げやりな気持ちでまた聞き飽きた歌を再生する。 刻々と過ぎていく時間と重い頭、眠くないのに動かない体と閉じていく瞼。 自分には何の力もない、無能だ。能力がなくても成功できる、幸せになれるという言葉に、幸せになりたいというモチベーションすらないんだから、神さへも信仰する気がないと反論する。 大体人生に意味なんてものはないと嘆く負け犬。 どんな風に暇をつぶしをしたって、最後に誰かに点数をもらえるわけでもない。 頑張っても0点。頑張らなくても0点。それなのにありもしない合格点を多数決で勝手に作って、やってらんねぇーよとか馬鹿にした1秒後、ちょっとそそのかされると、気が狂ったように点数を取りに行くんだから、あーあ。 そんな風に嘆いたって結局 私をこの幸せに執着させているのは皮肉にも私と血のつながった者たちの幸せのために過ぎない。 とか、なんちゃら、言い訳したって結局。 目を背けて血のつながった者たちも平気で騙し、傷つけ、自分だけを可愛がることが出来る癖に。 利己的な鈍感力を使うことに特化した人間だ。 非情な人間だ。 5日間自分の無力さと傲慢さに振り回される哀れな人達を傍観しては2日間でわがままな反省会を行う。 ひたすらに自分を肯定する歌を聞いて、そうして生産性のない時間が過ぎていくことをぼんやりと、肯定する。 この無意味な気持ちの掃き出しも、それを言葉に綴っていることも、今何にもならないただの文字を読んでいるこの瞬間も肯定したい。 全てが終わった後に時計をみて、みる、あの瞬間も。 傷ついたように錯覚して、反省する振りをしては新しい寄生先を探していく。意味がないと嘆きながらないことを納得できずに結局は生きてしまうこの無能さに。自分の信条すら信仰できないマヌケに。 目を瞑って生かされている
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