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束砂さん&五丁目さんプラス翡翠くんのばーすでぃちょっと前 にょたドールコレクション♪
暗闇の中、伊織先生は自らが用意したブツを眺めながらワイングラスを傾ける。
「ふふふ。私、いいアイデア思いついたなぁ。最高だよ……」
自画自賛の夜。
「本番は明日だ。絶対喜んでくれるよ!かんぱーい!」
「おばさん、夜に騒がないで寝れないから!」
伊織先生の部屋の扉がバタンと開いて薫蘭風ちゃんがそう切り捨ててまた扉が閉まる。
「ふ……。芸術とはいつの時代も理解されぬものよ……」
翌日、束砂さんと五丁目さんのバースーディパーティの日だったが伊織先生は二日酔いで欠席した。
「私らのバースディパーティになぜボスがいないのでしょう?」
「まぁまぁ束砂さん、いいじゃないすか。伊織先生いたらいたで胃が痛くなりますし。その代わり翡翠くんの誕生日を祝ってあげましょう」
粛々と行われるバースディパーティで語らう束砂さんと五丁目さん。伊織先生がいなくても問題ない。
「みんなありがとう!」
誕生日の近い翡翠くんのバースディパーティも一緒に行われれ、みんなから誕生日プレゼントをもらえた翡翠くんはホクホク顔。
「へへへ。僕、十一歳になるんだ」
と笑った翡翠くんの肩をタッくんが叩く。
「翡翠くん、何言ってるのかな? 翡翠くんは誕生日を迎えて十歳から十歳になったんだよ」
「へ?」
うたうものさんがにこやかに翡翠くんの頭を撫でる。
「翡翠くん、十歳おめでとう!」
「え? 僕、十一歳……」
更紗さんが翡翠くんの手をきゅっと握る。
「翡翠くんの十歳はとても長いんだよ。もう十歳なんて時の流れは早いわね」
「あの……えと……僕十一歳……」
げたんわくんがケラケラ笑う。
「なぁに言ってんだよ。翡翠くんは十歳じゃないかぁ。やだなぁ」
「え? え? え?」
戸惑う翡翠くん。その翡翠の肩に香多くんが手を置く。
「翡翠くんみたいな可愛い十歳のにょたチョコ男子が弟なんて瑠璃くん、心配だろうね」
「僕……僕……十歳なの???」
さらに戸惑う翡翠くんを瑠璃くんがきゅっとと抱きしめる。
「翡翠、心配するな。俺もいつまでも十六歳だと思っていたらある日突然二十六歳になったから。今は十歳を祝いなよ」
「僕は……十歳……」
そんなメタなやり取りの中、薫蘭風ちゃんが束砂さんと五丁目さんの目の前に大きな箱を置く。
「ごめんなさいね。おばさん、二日酔いで来れないけど今年の誕プレ奮発したから」
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