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「玲くん?」 「莉々は約束覚えてるんだよな?」 「小さい頃の奴?」 「うん、そう」 「でも、今は…」 「今は、何?」 「恋愛はしなくてもいいかなって思ってるの」 「どうして?」 「だって、続かないって事は何か原因があるからだもん… それを見つけないと無理だよ」 莉々はシュンとした顔で俯いてしまっていたが、玲はまた頭を優しく撫でてくる。 「玲くん、癖なの?」 「な、何が?」 「頭撫でるの好きなの?」 「あ、えっと… 妹居るからさ」 「え? そうだっけ?」 「うん、引っ越してから出来たんだ」 「あ、なるほどね?」 莉々はまたハッとなっては慌てていたが、チャイムが鳴ってしまった。 「あっ… 終わっちゃった」 「家庭科だったのか?」 「あ、うん? 今日はクリスマスに因んでケーキが題材だったんだ」 「ふぅん? なら、それ貰っていい?」 「え?」 「莉々の手作り食べてみたい」 「…!」 そんな風に囁かれて莉々は驚いた顔をしていたが、玲はフッと笑っては楽しそうだ。 「気が向いたらね」 莉々はそう告げると、保健室から出ていくので玲は少し残念に思っていた。 それから、4限まで授業を終えた莉々はチョコ生ケーキの出来栄えを見ては微笑む。 「莉子ったら、上手」 「莉々、昼食べるよ?」 「あ、ごめん? ちょっと携帯忘れたから取りに行ってくる」 そんな発言に捺芽と佐月は首を傾げていたが、莉々は保健室に向かうと携帯を返してもらっていた。 「玲くん、これチョコ生のケーキ」 「…! いいのか?」 「うん? でも、今日はお昼一緒は無理そう」 「…フッ もしかして、捺芽と食うのか?」 「何で?」 「後ろにいるし?」 「…へ?」 莉々がビックリして振り返ると、捺芽がビックリした顔で玲に近付いてくる。
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