3人が本棚に入れています
本棚に追加
「玲くん?」
「莉々は約束覚えてるんだよな?」
「小さい頃の奴?」
「うん、そう」
「でも、今は…」
「今は、何?」
「恋愛はしなくてもいいかなって思ってるの」
「どうして?」
「だって、続かないって事は何か原因があるからだもん…
それを見つけないと無理だよ」
莉々はシュンとした顔で俯いてしまっていたが、玲はまた頭を優しく撫でてくる。
「玲くん、癖なの?」
「な、何が?」
「頭撫でるの好きなの?」
「あ、えっと…
妹居るからさ」
「え?
そうだっけ?」
「うん、引っ越してから出来たんだ」
「あ、なるほどね?」
莉々はまたハッとなっては慌てていたが、チャイムが鳴ってしまった。
「あっ…
終わっちゃった」
「家庭科だったのか?」
「あ、うん?
今日はクリスマスに因んでケーキが題材だったんだ」
「ふぅん?
なら、それ貰っていい?」
「え?」
「莉々の手作り食べてみたい」
「…!」
そんな風に囁かれて莉々は驚いた顔をしていたが、玲はフッと笑っては楽しそうだ。
「気が向いたらね」
莉々はそう告げると、保健室から出ていくので玲は少し残念に思っていた。
それから、4限まで授業を終えた莉々はチョコ生ケーキの出来栄えを見ては微笑む。
「莉子ったら、上手」
「莉々、昼食べるよ?」
「あ、ごめん?
ちょっと携帯忘れたから取りに行ってくる」
そんな発言に捺芽と佐月は首を傾げていたが、莉々は保健室に向かうと携帯を返してもらっていた。
「玲くん、これチョコ生のケーキ」
「…!
いいのか?」
「うん?
でも、今日はお昼一緒は無理そう」
「…フッ
もしかして、捺芽と食うのか?」
「何で?」
「後ろにいるし?」
「…へ?」
莉々がビックリして振り返ると、捺芽がビックリした顔で玲に近付いてくる。
最初のコメントを投稿しよう!