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「この、イケ顔! 何処行ってやがったんだ!」 「フッ 親の転勤が決まって引っ越しただけだろ」 「ふんっ 莉々は俺のだからな」 「…ふぅん?」 「手ぇ出すなよ?」 「フッ 捺芽は変わらないな? 相変わらず、莉々大好きって体中から溢れてるし」 「なっ?!」 「でも、莉々は恋愛モードではないみたいだぞ?」 「そうよ? もう卒業が迫ってるし、就活もしないと」 「…莉々! それはそれ」 「捺芽くんだって考えないとだよ?」 「フッ こりゃ見込みなさげだな、捺芽」 「何笑ってんだよ? 玲くんだって見込みないんだからな」 「ふぅん?」 玲は莉々を見ながらそう告げると、何かを手渡してきた。 「何?」 「莉々の好きなキャンディーだよ」 「え?」 莉々が袋を開けると、確かにオレンジのキャンディーが入っていた。 「好きだったろ?」 「あ、うん? 嬉しいけど何で持ってるの?」 「俺も疲れたりしたら食べるから、常備してるからだよ?」 「そ、そっか」 莉々と玲がそんな風に変な雰囲気を醸し出していると、捺芽は手を握るなり保健室から連れ出した。 「捺芽くん? どうかしたの?」 「莉々、何か嬉しそうだったからヤキモチだけど?」 「嬉しいっていうか、ビックリしてるのだけど?」 「やっぱ好きなのか?」 「だから、それは小さい頃の話でしょ?」 「嫌なんだよ? また玲くんに盗られて指銜えてんのは」 「捺芽くん、小さい頃から好きで居てくれたの?」 「え? まあ、そーだけど? 莉々は玲くんにベッタリだったから気付かなかっただろうけどな」 「そっか、ごめんね?」 「やっぱちゃんと考えて貰うことに決めた! 諦めるだけなのはもう嫌だからな」 捺芽のそんな決意を聞いてしまい、莉々は何となく言葉を返せなかった。
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