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「玉砕かしら?」
「莉子さん、まだ残ってたの?」
「うん?
神門くん、日直らしいから待ってるの」
「あっ…
そうなんだ?」
「滝くん、莉々を本気で好きなのね」
「俺さ…
入学式の日に一目惚れしたんだよね?」
「ふぅん?
片想い歴長いわね」
「莉々ちゃんと保険医って幼馴染みなの?」
「あら、臨時の保険医って玲くんなんだ?」
「何か凄いイケメンだったけど、何者?」
「莉々の初恋の人だよ?
いつの間にか引っ越しちゃってね…
それから莉々ったら忘れる為に恋しようとしていたわ」
「それで振られてた訳か」
「まあ、相手もそれが重かったのかもしれないわね?」
「莉々ちゃん、何かしたの?」
「メールとか電話とかずっとしてたみたいよ?
だから、束縛されてるみたいな気分になっちゃったのね」
「本当の理由はそれだったんだ?」
「そうよ?
滝くんは束縛されたい?」
「束縛ね?
ただ、単に寂しかっただけじゃないのかなって思うのだけど?」
「ふふっ
莉々はそんなつもりはなかったみたいだしね?」
莉子がそんな風に話していると、陽風が日直を終えたのか迎えに来ていた。
「莉子ちゃん、帰ろうか?」
「あ、神門くん?
日直お疲れ様!
滝くん、じゃあね」
「あ、うん?」
莉子が佐月に挨拶を交わしていると、陽風はギュッと手を握ってくる。
「み、神門くん?」
「莉子ちゃん、滝と仲良いの?」
「えっと、同じクラスだし莉々繋がりなだけだよ?」
「莉々ちゃんね?
幼馴染みなんだっけ?」
「うん?
まあ、小学生からだけれど…」
「そっか」
「神門くん、どうかしたの?」
「少し妬いただけだよ?」
「ふふっ
嬉しいだけだよ」
莉子はニッコリ微笑むと、陽風は言ってしまってから照れくさくなったようだ。
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