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「ねぇ、莉々」
「何?」
「俺、思ったんだけどさ?」
「何を?」
「莉々がすぐ振られちゃう理由」
「いいよ、そんなの考えなくて」
莉々は興味なさげにテキパキお弁当を作り終え朝食をテーブルに並べると食べ始めていた。
「莉々、聞いてよ?」
「良いから食べてよ?
お味噌汁冷めちゃうでしょ?」
「うん、いただきます」
捺芽は無邪気な子供みたいにがついていたが、莉々にはいつもと変わらない時間だ。
「湊生の奴は?」
「彼女宅じゃないかな?」
「ふぅん?
マセてやがるな」
「捺芽くんは居ないの?」
「…それ聞いちゃう?」
「だって、捺芽くんモテるでしょ?
クラスでモテてるし」
「うーん?
あの子らはファンみたいなものだから、違う意味だな」
「そうなんだ?
バスケ部だったから?」
「うん?
まあ、その名残りかな」
「ふぅん」
莉々は特には気にした様子ではないので、捺芽的にはもう少し気にして欲しい面持ちだ。
「…莉々」
「何?」
「…俺は論外?」
「えっと、何の話?
ファンになって欲しいの?」
「違う…」
「じゃあ、友達って事?」
「莉々、わざと?」
捺芽はムッと拗ねた顔をしていたが、莉々は心の底からキョトンとしている。
「…鈍い」
「ほら、早く食べて学校行かないと?
今日は雪降ってるから…」
「莉々、俺は恋人候補にはなんない?」
「へ?」
莉々はお皿を流しに置きながらそう告げると、捺芽は目の前に近づくとギュッと抱きついてきた。
「えっと、捺芽くん?」
「嫌?」
「捺芽くんは幼馴染みで友達だよ?
恋人には出来ないかな」
莉々はそれだけ告げると、捺芽はムッとした顔をしていた。
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