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日誌を取りに行った二人は、日直の作業を素早く済ませると1限目の準備をしていた。 「捺芽くん、1限目なんだっけ?」 「フッ 莉々の好きな数学」 「あ、そっか」 莉々は真顔でそう告げると、捺芽は隣の席から様子を窺っていた。 「捺芽くん、何?」 「うん? 莉々、可愛いから見てるんだよ」 「…そんなに見なくていいから」 莉々は窓の方を向いてしまうのだから、捺芽は詰まらなそうに右肩をツンツン突いていた。 「もう、捺芽くん?!」 「フッ やっとこっち向いた」 「もう、悪戯ばっかりだとデートやめるよ?」 「なっ?! それはやだ」 「なら、やめて」 「うぅ… 莉々、せこい」 「今、デートって聞こえたけど… 二人って付き合うの?」 「莉子、違うから」 「ふぅん? なら、捺芽くんがおねだりしたのね?」 「わ、悪いの? 莉子さん」 「ううん? 莉々、楽しんでね」 「もう、莉子ったら…」 莉々はそんな風に呆れていたが、数学の先生がやってきて授業が普通に始まった。 「んー 次は家庭科だったよね」 「莉々の得意分野じゃない?」 「エプロンと三角巾持ってっと…」 「今日は何作るんだろうな」 捺芽がニッコリ微笑みながらそう告げると、佐月も寄ってきた。 「莉々ちゃんの手作りなら男子は皆食べてみたいだろうね~」 「滝くん、また来たの?」 「莉子さんは邪魔するのが趣味なの?」 「違うけれど?」 「なら、好きにやらせてもらう」 佐月はニッコリ微笑むと、莉々の隣を歩いて移動するのだから莉子もお手上げだ。 「莉子ちゃん?」 「あ、神門くん? 次体育なの?」 「うん、莉子ちゃんは家庭科かな?」 「えぇ、そうなの」 「期待してもいい?」 「え?」 莉子がビックリしていると、陽風はニッコリ微笑むと耳元でこう囁いた。
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