★1

8/20
前へ
/80ページ
次へ
“お昼楽しみにしてるね”っと…。 「…神門くん?!」 「ふふっ 頑張ってね」 「あ、はい」 莉子は照れくさそうに陽風を見送るが、ハッとなると家庭科室に向かった。 「莉子、何してたの?」 「えっと、神門くんが居たから話してただけ」 「早速ラブラブしてたんだ?」 「莉々、何か発言がちょっと意地悪だね?」 「羨ましいだけだよ? 莉子モテるし」 「今日はケーキ作りみたいね?」 「莉子、話逸した」 「ふふっ 莉々だってちゃんと本命と付き合えるって?」 「それは…」 「俺だろ?」 「僕だね?」 佐月と捺芽が同時にそう告げると、莉々はビックリした表情になった。 「二人共、先生来たから座んなさいよ」 莉子がそんな風に促していると、教師から簡単に説明を受けてから実習に入ることになった。 「莉子さん、スポンジ生地作ろうぜ」 「莉々は何してる?」 「チョコレート刻んでチョコ生作りやるよ?」 「なら、滝くんはフルーツでも切っててくれる?」 「ふふっ 役割分担があるとテキパキやれそうだね?」 佐月がそんな風に笑っていると、莉々はチョコレートをカットしてから湯煎で溶かす作業を始めていた。 「えっと、生クリームを少しずつ入れてボウルに氷を入れた上に乗せてミキサーで泡立てて…」 「莉々ったら、手際が良いわね」 「莉子さん、まだ混ぜるの?」 「うん? 玉にならないように優しくね」 「はいよ」 莉子と捺芽は交代で混ぜる作業をしていたが、佐月はイチゴを洗ってヘタを切ってカットしていた。 「莉子さん、他にフルーツは何入れる?」 佐月が莉子にそんな風に聞いていると、莉々は作業が終わったのかミキサーの先を洗っていたが少し切れてしまった。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加