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「あっ…」 「莉々ちゃん、切れてるよ?」 「あ、うん? 絆創膏は… 切れてたや」 「保健室に貰いに行ってきたら?」 「うん、そうする」 莉々は教師に怪我した事を告げると、保健室へと1人で向かった。 「捺芽くん、心配?」 「そりゃ、心配だけど…」 「あ、チョコ生… 冷蔵庫に入れとかないとね?」 莉子は冷蔵庫に莉々の手作りのチョコ生を入れていたが、捺芽は生地をオーブンに入れていた。 「後は焼けてから仕上げね」 「フルーツも冷やしとくよ」 「片付けしてましょう?」 三人が使った道具を片付けている頃、莉々は保健室の扉をノックして入っていた。 「失礼します? 絆創膏貰えますか?」 「…怪我したのか?」 「あ、はい? アレ?」 「どうかしたか?」 「有村先生は?」 「あぁ… 彼女なら産休に入ったから臨時で入ることになった。 水瀬玲だ」 「…?!」 莉々は黒縁眼鏡で気付かなかったが、玲本人だと気付いてしまった。 「えっと、君は… 三年生?」 「秋月莉々です」 「…え?」 玲は下を向いたままで話していたので、パッと顔を上げては莉々を見ると驚いていた。 「莉々って… あの小さい頃、よく遊んでた莉々か?」 「やっぱり玲くんだ」 「フッ 久しぶりだな、莉々」 「…そうですね? それより絆創膏貰えますか?」 「何、怪我してんだか?」 「玲くんには関係ないでしょ?」 「ほら、指出して? 消毒するから」 「…」 莉々は少し戸惑いながらも指を見せると、玲は丁寧に消毒して絆創膏を貼ってくれていた。 「あ、ありがとうございました」 「なぁ、莉々」 「はい?」 莉々が保健室から出ていこうとすると、玲は何故か近付いてきては扉が開かないように塞いでいた。
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