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「水島先生──僕のソロ曲も書いてくださるんですか」
「うん、そうだよ。君の甘~いイメージを生かした曲にしよう。今日歌ってた、ジェニーのカバーみたいな。今いくつか候補があるんだ」
「本当? 早く聴いてみたいです!」
エディは目を見開いて、水島を見返した。栗色の長い髪が、肩先で揺れる。目線ギリギリで揃えた前髪が、愛らしい目元を強調している。
誰からも「女の子みたいに可愛い」と言われる事を、明らかに意識していた。
「ピアノで弾いてみようか、僕のレッスン室にくるかい?」
水島は微笑みながら、エディの瞳を見つめた。
「えっ、いいんですか?」
「明日もここのステージ? 同じ時間?」
立ち上がりながら、そう聞かれた。
「そうです」
「終わった頃、迎えに来るよ。そのつもりでね」
水島は、そう言うと、手をひらひらと振って出て行ってしまった。
エディは期待で胸が高鳴るのを覚えた・・・
エディは一日も早く、自分のソロ曲を水島に書いて欲しかった。
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