甘い旋律※

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※ ※ ※ 翌日、車で連れて来られたレッスン室は、広いマンションの一室だった。エディは初めて訪れる場所だ。 水島は結婚していて、一戸建ての家に妻子と住んでいる。 事務所は別にあり、そこのピアノがある部屋では、ペガサスのメンバーと一緒に、レコーディング前のレッスンを受けた事がある。 この部屋は、プライベートなレッスン室兼仕事場らしく、デスクの上に楽譜や書類が雑然と積まれている。グランドピアノの他には、応接セットがあり、作曲は主にここでしていると、水島はピアノの前に座りながら、言った。 「最近君達の曲とアレンジで忙しくて、帰れない日もあるよ」 「先生、僕のソロ曲は・・・?」 頷いて、水島が弾き始めたのは、バラード調の曲だ。 「これだよ、どうかな──?」 エディはピアノのすぐ側に、楽譜を覗き込むようにして立った。 「ちょっと舌足らずな甘いヴォーカルが、君の持ち味だよ──それに合わせたんだよ」 「僕、好きです──このメロディ」 うっとり水島を見つめながら、曲を聞いていたエディが、だんだん体を近付けて、水島の腕に擦り寄るようにした。 水島がピアノを弾く手を止めた。 「そんなに近寄ると弾けないよ──困った子だな」 そして、手でそっと髪を弄ぶようにされた。顔が近くに迫った。 「先生・・・」
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