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SS旋風
2007年。
競馬後進国であった日本が、世界一流の証である「パート1」の称号を獲得し世界一流競馬の仲間入りを果たした。
それはもちろん競馬関係者たちの努力があってこそだ。
だが、いくら関係者が努力を重ねても、生産されるサラブレッドのレベルが低ければ全く意味はない。
日本が世界トップレベルの仲間入りが出来た要因は・・・実はたった一頭のサラブレットから始まったのだ。
そのサラブレットの名は「サンデーサイレンス」。
サンデーサイレンスの子孫たちは、それまでの日本のサラブレッドの次元を悠々と超える。
サンデーサイレンス産駒は日本のビッグレースを次々と制覇していき、その脅威は海外にも及んだ。
この現象は「SS旋風」と呼ばれ、まさしく日本の競馬界はサンデーサイレンス産駒で溢れかえる。
前置きはこれくらいにして・・・
さて、貴方は零細牧場の場長です。
貴方は自分の牧場でサラブレッドを生産し、金持ちに売る事で生計を立てています。
貴方は自分の牧場の牝馬に、どんなサラブレッドの種をつけるでしょう?
そう、サンデーサイレンスです。
当時、馬主たちは「とにかくサンデーサイレンスの仔が欲しい」「サンデーサイレンス産駒を売ってくれ」とサンデーサイレンス産駒の争奪戦が行われていました。
サンデーサイレンスの種は2500万円もしますが、安くても5000万円。
牧場に実績があれば5億でも売れます。
サンデーサイレンスが日本に来るまで、サラブレッドというのは売れるかどうか分からないとても不安定な仕事でした。
しかし、サンデーサイレンス産駒なら高値で間違いなく売れる。
牧場経営を考える者なら、サンデーサイレンスの種を求めるのは当然の事です。
しかし、たった一頭のサラブレッドが起こした奇跡は同時に大きな問題を生み出す事になります。
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