助監督はBL

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「それなんですか?」 「それって?」 「その股間にぶら下っているものです。ああっ」  吉岡は坂上の股間からぶら下るモノを不思議そうに見ていた。見た瞬間は身体を擦るヘチマを股に挟んでいると思った。どうしてそんなとこに挟んでいるのかと不思議に感じた。しかしよく見るとモノであることに気が付いて驚いたのである。 「これはね、こいつの自慢のモノ」  照れる坂上に代わって植木が自慢した。吉岡は顔を近付けてまじまじと見つめる。若い男に見つめられて坂上のモノは反応した。 「吉岡君、あんまり見ないで」  坂上はタオルを被せたが勢いは止まらない。 「坂上先輩、お願いです、マックスを見せてください」 「困ったなあ」 「いいじゃねえか昭、社会勉強の一環だ」  植木が冷かした。三人は更衣室から浴室に入る。タオルを掛けた坂上のモノはマックスになっていた。 「まるで首にタオルを巻いたハゲオヤジみたいですね」  吉岡が感嘆の声を上げた。野球部の連中も続々と大浴場に集まってきた。野球部以外の社員もぞろぞろと浴槽に浸かる。坂上は失敗したと反省した。男の尻に興奮する性癖は男風呂では収められなくなっていた。若い男がモノも尻も丸出しで湯に浸かる時坂上の目の前を通過する。 「昭、のぼせるぞ」  事情を察する植木が心配した。 「でもこれじゃどうしようもないよ。明日会社の笑いモノになる」 「洒落てる場合か、よし作戦を考えよう。いいか、のぼせたと言って俺の背におぶさるんだ。俺がおんぶして部屋まで運ぶ。よしやれ」  坂上は辺りを見回した。浴室は湯気で揺れている。
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