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「一ノ瀬君、作戦を告げます。敵は優勝候補であのピッチャーは大会ナンバーワンの実力があります。残念ですが僕も一ノ瀬君も真っ向勝負じゃ打てません」
「それでどうするんですか?」
坂上は作戦を指示した。
植木がバッターボックスに入った。
「花形、優勝候補のお前には悪いがここで帰ってもらう」
植木が挑発する。
「おい植木、俺はお前の秘密を知っているぞ」
「何だもったいぶらずに言ってみろ」
「おまえがこっちだってことだよ」
花形がグローブの裏を左頬に当てた。植木は動揺した。
「お前には分からんだろう。俺達マイノリティの気持なんか」
「分かるかよ、ああ気持ち悪い、尻穴にボールを突っ込んでやろうか」
「お前はそこまでの男だ、さあ来い」
花形が振りかぶった。ツウーストライクツーボール。
『神様、俺に力を与えてください』植木が胸に手を当てた。
「神頼みか?神頼みは負を認めた証拠だ」
花形が投げた。
「違う、正義を貫く約束だ」
打った。センターを超えてフェンスに当たる。植木は2塁まで進んだ。
『南選手のユニフォームに観客がどよめいています。シースルーですね、バットを股に挟んでスリスリしています。素振りをするとフェロモンが風に乗りマウンドの花形投手にふりかかりました。あれはたまらんでしょう田淵さん?田淵さん、田淵さん、二回戦ですか?』
『ここでコカなきゃどこでコク』
『それじゃあたしもひとつ抜かせていただきましょうか、よっこらせっと』
『青田さんもですか、それじゃ私もやるしかありませんね。どっこいせいのせっと』
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