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「みなさん、初めまして坂上昭と申します。首尾はセカンドを守っています。社長は名門高校、大学野球部卒と仰いましたが、部員の数は多くて僕はベンチにも入れませんでした。みなさんと楽しい野球部を過したいと思いますので宜しくお願いします」
坂上のおっとりとした口調にナインは安心感を抱いた。
「おはよっす。俺は植木真一です。来年30歳になります。首尾はサードです。社長の夢でもある実業団野球で一勝するために頑張るつもりです。宜しくお願いします」
坂上とは違い体育会系の挨拶をした。
「みなさん、真一はずっとレギュラーだよ。僕とは実力が違う。プロからも声が掛かっていたんだ」
坂上は自分のことのように植木を褒め称えた。植木は憧れの的であり、愛の的でもある。
「いいんだよ俺のことは」
「照れるなよ」
ナインが笑っている。
「よし、こっちも自己紹介しよう。私が監督兼捕手の野村です。齢はあなた達より5つ上の35歳です。特技はコブラツイスト」
ジョークに皆が笑った。
「俺は吉岡、23歳 守備サード」
「私は西田南、24歳 守備ショート」
「僕は梨田道弘、21歳 守備外野」
「おいどんは桜島正太郎 31歳 守備外野」
「あっしは芝崎守と申しやす、当年とって28歳です。以後お見知りおきを」
「あたいは相田弥生、弥生でいいよ。二十歳、ピッチャー」
「おらは一ノ瀬、22歳、守備位置は決まっていない」
「マイネームイズ、シュミット、レフト」
「ニイハオ、わたしは黄です。首尾はどこでもあるか」
9人が自己紹介した。
「他の方はお仕事ですか?」
坂上が監督に訊ねた。
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