再会

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再会

 4ヶ月ぶりに会社へ出勤すると、そこには来斗の席は無かった。  片桐家の家業を継ぐということで、会社を辞めたらしい。  私がプロポーズ直後に逃げるように海外へ旅立ったということで、来斗を振ったことになったという話だ。  1ヶ月前の日付で『婚約指輪は好きに処分してくれ』と別れの言葉のメールが送られていた。  3ヶ月は信じて待っていてくれたのかもしれない。 『ただいま』とだけメールを送った。  この数ヶ月、会社は私も来斗もいないことで、てんやわんやだった。  シズさんのためにも早くマンションへ帰宅したかったけど、連日深夜残業になってしまった。 「それにしても、あの眼鏡!ミスして牧野さんにフォローさせときながら会社辞めるなんて、超無責任よね!」と同僚が愚痴る。 「そんな人じゃないよ、青山君は…」と言ってはみたものの、それ以上強く言えなかった。  青山君は、妖精界へ行かなければきっと今頃意欲的で優秀な社員に成長してます!って言ってやりたかった。  年末年始返上でなんとか溜まった仕事を消化し、妖精界で制作した企画を上司に提出した。 「やっとゆっくり寝られる…」  少しずつ体調が回復したシズさんは、私の部屋の大掃除を済ませ、食事の支度や洗濯などの世話をしてくれている。  こっそり持ってきた妖精界の3種の調味料のおかげで、なんとか現代の人間界の食材でも美味しく食べられるようだ。  おかしいな、私がシズさんのお世話を引き受けたはずだけど。
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