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コーラルピンクよりも少し薄い色をした石の建物が並ぶのは丘の方、港のほうにはミルク色、平原から森へと続く道があるほうの石は灰白色と、石造りの町は場所によって石の色が違う。
屋根の色はオレンジやチョコレート、クリームを混ぜたようなストロベリー色と、おいしそうな色が多い。街並みの配色はカラフルなプチケーキの箱の中身に似ている。
町中に張り巡らされた水路には澄んだ水が豊富に流れ、その水によって緑が生い茂り、鳥や動物達の憩う姿を所々で目にすることができた。
新鮮な水を求め、町に数か所ある石で囲まれた湧き水の水汲み場へと人々が集まり、その木陰の下で楽しそうにお喋りする声が私の耳にも届く――
「ねえ、森の一軒家に住み始めたっていう怪しい子はまだいるの?」
「ああ。虫を集めたり、雑草を育てたりしているんだぜ」
「虫を? 虫なんてどうするのかねぇ……」
「食べるんじゃないかい? それか呪いの材料かも」
「シッ! 森から魔女が来たぞ!」
魔女――私は町の人達から魔女と呼ばれていた。
けれど、自分では魔女だとは思っていない。
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