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「ええ。お客様からプレゼントだと言われて、いつもは受け取らないのだけど、髪飾りがあまりに可愛いから、いただいてしまったの」
申し訳なさそうに言った彼女は町で一番人気のキャンディ屋の看板娘マリエッタ。
彼女は雨の日以外、朝焼け雲色、タンポポ色などの色のついたコットンキャンディをキャンディ屋の店先で売っている。
赤と白のストライプの屋根が目印のコットンキャンディワゴン。そのワゴンの棚には白、黄色、オレンジ、赤、青と色のついた様々な色の砂糖が入ったガラス瓶が並び、砂糖をスプーンですくって機械に入れると、雲みたいなコットンキャンディがどんどん出てくるのだ。
スプーンひとさじの砂糖で魔法のように雲を作る。
ワゴンに立つキャンディ屋の看板娘マリエッタはコットンキャンディを思わせるふわふわした珊瑚色の髪と昼間の空と同じ明るい水色の瞳、優しい雰囲気を持っていて、愛想が良い。その上、話上手ときたら、老若男女問わず人気者になるのも当たり前。
私が同じようにコットンキャンディを売っても行列は絶対できない。
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