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一ヶ月後、三家族から報告があった。
問題の学生は、プレゼントをした後、数週間もせずに引っ越しをした。
蛇公に相談をしてからすぐ怪奇現象も止んで、娘たちの体調も良くなった。
蛇公を怪しんでしまった謝罪と解決してくれたお礼をしたい。しかし、連絡手段がないため、どうしようもない……、等々。
それを蛇公に報告しようとしたが、私も連絡手段がない為、偶然居酒屋で会うことを期待するしかない。
「興味深いね」
私はいつもの居酒屋で、U氏と共通の友人のS氏にそんな話をした。
氏は前のめりになって話を聞いていたが、終わると満足といった具合で息をついた。
「蛇公って人にも会いたいな。普通なら連絡手段くらい教えてくれても良いのに」
「本当です。でも、誰にもそうらしいんですよ。何かあったら店主に言ってくれって常に間接的らしくて」
私の話を信じてくれたらしい。氏は「残念だあ」と心の底から呟いた。
「詳しく話を聞きたかったのに」
「私もです。ですが、話すのを嫌がっていたようなんですよ」
「それだよ。そこが気になる。すぐに原因を見抜ける程の彼がどうして嫌がるのか。きっと知っているんだよ」
氏はそう言って、私の話をメモした手帳を見つめている。
「ちょっと調べてみようかな。学校も知っているし、ここの問題に関わった人たちも知らない人じゃ無い」
「え、それは大丈夫なんですか?」
「分からないよ。分からないから調べてみたいんだ。教えてくれてありがとう」
氏はそう言って満足そうに手帳を閉じた。
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