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Ⅲ
ある日、「住まいの物件」というポップアップ広告を間違えてタップしてしまった。今時の広告というのは間違えて押してしまうよう巧妙な細工が仕掛けられている。
慌ててプラウザバックをしようとする私の目に一つの一軒家が入った。
新着の貸家で特殊な条件が一つあるらしいが、敷地が広く家も立派で家賃は破格だ。
場所はF県M村。
その家の写真には大家らしき老人も一緒に映っていたが、それは私に話をしてくれたオオダ氏本人であった。
こういった時、縁があれば何かしら手がかりや繋がりが得られる。
私はすぐにそのページから離れることにした。
■ ■ ■
原稿は、途中で終わっている。そして、S氏は現在音信不通だ。
S氏という人間は忙しく、また大変気ままな方だ。私の不安がただの杞憂であると信じたい。
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