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リフォーム、2023年に入りました
1月7日。
いよいよLDKの解体。
まだ廊下、脱衣所、玄関も終わっていないし、トイレと木のベランダは手つかず。
前日はLDKにある家具やダンボールを三部屋に分散して置いたが、どうしても置ききれなくて、テレビ台と食器棚を友達に預かってもらい、ダイニングテーブルと椅子四脚を処分した。
キッチンも取り替えのため、撤去していただくので、中身を全部出してダンボールに詰めた。
LDKの解体が始まったら、急に気持ちが沈んできた。
大好きな場所だったのに。
ソファに座って『冬のソナタ』を観て泣いた。ダイニングで反抗期の息子と取っ組み合いの喧嘩をした。ここ数年は毎日五時に起きて家族のお弁当を作ってきた。
「本当に壊しちゃうの?やっぱりやめない?」
夫にそう言うと
「えーっ?」
と驚かれた。
壁、下半分をはがしてある状態で解体屋さんがお昼休憩に入ったので、LDKを見に行った。
壁の中の断熱材が露になっていた。おびただしいカビ、カビ、カビ。
朝、解体をやめたいなんて言ったのは誰だ。
浸水怖い。カビ怖い。
1月10日。
キッチンがなくなり、キッチンの床もなくなって四日目。
紙コップ、紙皿、割り箸などでなんとか食べる生活に少しずつ慣れてきた。ゴミの量はハンパないが。
毎回買うので食費はかさむが、作ったり片付けたりしなくていい生活は少しラクかもしれない。
ほっともっとというお弁当屋さんがおいしいことも、こういうことがないと、なかなか知ることができない。野菜炒め弁当と唐揚げがお気に入り。
元々六畳の和室だった部屋はなにも家具がなかったので、そこに冷蔵庫、電子レンジ、ワゴン、ポット、本棚、キッチンカウンター、ソファベッド、ストーブ、ハンガーラックなどを避難させた。
私が何日も考えたコーディネートなのに
「俺、子供の頃、すごく貧乏で、県営住宅で、すごく狭かったけど、ここまで狭くはなかった」
と夫が嘆いた。
1月11日
前日の10日からLDKの床に無垢の杉板を貼る作業をしていただいている。
十七畳半ほどの広めのLDKなので、大工さんは二人だったり、三人だったりする。しかも朝八時になっていないうちからお仕事を始めてくださる。
棟梁さん?なのか、一番上のOさんという大工さんが明るい方で、そのせいか現場が楽しそうな雰囲気だ。笑い声が聞こえてくるときもあるし、技術を褒め合っているときもある。しかし仕事上、厳しい雰囲気のときもある。教え方が的確で、余計なことも言わないし、怒鳴ったりしない。教わっている方も反抗したり萎縮したりしないだろう。
Oさん、人格者だ。
翌12日。
大工さんは三人いらっしゃって、7:40から作業を始めてくださった。
9時頃には電気屋さんも二人いらして、LANケーブルの関係の作業をしてくださった。
休憩やお昼ごはんのときはずっと笑い声がしている。
こんなに楽しく、穏やかに、でもきちんと作り直してもらったら、家も喜んでいるんじゃないだろうか。
これから先、新しいキッチンがついて、クロス屋さんが白い壁紙を貼ってくれる。
今月中には職人さん方が二日間でトイレを集中的に工事してくださるので、ビジネスホテルに一泊する予定。
玄関の下駄箱と、外の木の狭いベランダはこれからで、ベランダは二月に入ってしまうと思う。
リフォームが一段落したら、次はエアコンを買ったり、新しい車が届いたりする予定。
エアコンは室外機が水没すると本体も動かなくなってしまうことがわかったので、今度は室外機を高い位置に設置することを考えている。
車は廃車になってしまって、ずっとレンタカーを借りている。車のほうの保険も手厚く入っていたらしく、助かっている。
廃車になった車は黄色でかわいくて、私はとても気に入っていた。もう同じ車は手に入らないらしい。
こんな、全国的にはほとんどニュースにもならなかった小さな水害でさえ、生活を完全に取り戻すのに、四ヶ月以上かかる。しかもまだまだこれからリフォームを始めるお宅も多い。
たった一軒でも、出たゴミの量は驚くような山になる。動いたお金もトータルするとかなりの額になるだろう。我が家の元々少なかった貯金は、家財が保険に入っていなかったため、もうすでに、ない。
もしこれから保険に入る、もしくは見直す、という方に、参考にしていただけるとありがたい。
保険の契約をするときに
「保険をかけるような立派な家具なんてないから、家財は別にいいよね」
という会話が家族から出たら、ちょっと考えてみてほしい。
その保険は、『今ある家具』にかけているのではない。なにかあったときに『買い替える家具を買うためのお金』を出してくれる保険なのだ。
保険などかけなくても、いざというとき、家具を全部買い替えられるお金を余裕で貯めておける人には必要ない。掛け捨ての保険というシステムは、保険を使わずに終わったとき、虚しいだけなので。
あの浸水の翌朝。水が引いてから。
冷蔵庫が壊れた我が家に
「娘が前の彼と別れたときに、うちに置いていった冷蔵庫が余ってるから、あげる。新しいのを買うまで使いなよ」
と、一人暮らし用の小さい冷蔵庫をくれたお隣さん。
「うちはギリギリ大丈夫だったから。なんでも言って。遠慮しちゃダメだよ」
とLINEをくれて、一日に二回、車を出してくれた親友。
「就職して出ていった娘のドレッサー、もう要らないからあげる。届けるよ」
と言ってくれたのに、新品の、とてもかわいいドレッサーをプレゼントしてくれた、趣味のスポーツの友達。
家から車で四十分ほどかかる職場に勤めている息子の職場の方々は、家まで息子を車で送ってきてくれて、しかも道中、何軒かのお店に寄って、息子が靴や服を調達するのを助けてくださって、バイクが直るまで、電車通勤できるように、駅までの足に、と自転車をくれた。その際、栄養補助ゼリー、ペーパータオル、除菌できるウェットティッシュなどを沢山くださった。
近所には嫌いな人もいるし、気の合わない人もいる。そういう人達とまで親しくすることはできないが、普段見かけたら挨拶をしていただけの間柄でも、いざというとき、助け合える。
ありがたい。ありがたい。
人生でこの言葉をこんなに使った四ヶ月は、ほかにない。
これからも水害は怖いし、地震も怖い。東海地震とか、南海トラフとか、よく聞くし。
自然災害だけでも手に負えないくらい大変なんだから、戦争は本当にやめてほしい。
リフォーム状況を最後まで書けず、申し訳ありません。
これから家の中の引っ越し、買い足すもの、まだ続くキャンプ生活などでバタバタしているあいだに、募集が締め切りになりそうなので、終わらせていただきます。
時間を割いて読んでくださった方々、どうもありがとうございます。
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