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まさか、美希に嫉妬させる為、うまくいけば、俺を奪おうと企んでいたことなど考えが及ばなかった。
俺もなぜこの時に二人で出かける事を拒まなかったのか、悔やんでも悔やみきれない。
仕事の帰りに食事をすることになった。
なるべく早めに切り上げて、美希の待つマンションへ帰りたかった。
間が悪いとはこのことだ、今日に限って、美希は気分がいいからと会社までやってきた。
ビルの出入り口から俺と麗子が出て来たところを、美希に見られた。
しかも、俺の腕に絡んでいたところを美希に見られたのだ。
元々、美希は自分がひとまわりも年上を気にしており、前回のモデルとの不倫騒動も大打撃を受けていた。
今回は二人で仲睦まじいところ、いや決して仲睦まじいわけでは無いが、第三者からはそう見える雰囲気だったのが俺としては大誤算だった。
しかも、その場で、怒って文句でも言う女だったらこんなに誤解が拗れる事はなかった。
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