第三章 彼の溺愛

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彼の行動は理解出来ない、いきなり抱きしめてキスしたり、我慢出来なかったと押し倒したり、心配だと勝手に迎えに来たり、いい加減な気持ちはないとプロポーズしたり、社内なのに恋人同士みたいに手を繋いだり、私の気持ちはいつも置き去り状態である。 でもそんな彼の私に対する気持ちは嫌ではなかった。でも…… 「社長、手を離してください、社内ではまずいですよ」 「なんでだよ」 そこへ東條さんがやって来た。彼は社長の右腕の存在で、この会社を回していると言っても過言ではない。 「社長、お話があります」 「なんだ」 「藤城さんは我が社の社員です、一人の社員にだけ特別扱いはやめていただきたいのですが……」 「特別扱いってなんだよ」 「社用車で一社員の迎えは困ります、また、社内で手を繋ぐ行為もやめていただけないでしょうか」 「わかった、俺これから自分の車で出社するからそれなら誰を乗せようと文句ないだろう」
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