第一章 俺様御曹司

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「事故現場にいた女性が一緒に救急車に乗って頂いて、輸血を申し出てくださったんです」 「名前を聞いたか?」 「はい、藤城美希さんです、社長がご挨拶したいとの事で、お待ちいただく様にお願いしたんですが、すぐに病室を後にしてしまわれたんです」 「調べたか」 「はい、驚きの結果が出ました」 俺はどんな結果が出たのか興味深々だった。 「我が社の社員でした」 俺はその結果に驚き固まった。 そこへ鏑木建設会社社長が病室へやって来た。 「蓮、大丈夫か、いつまでもふらふらしているから自業自得だぞ」 「親父!」 「事故現場に居合わせて、お前に付き添い、輸血を申し出てくれた命の恩人は、我が社の経理部に勤務している藤城美希さんだ、我が社に十三年間勤務してくれている優秀な社員だ」 「俺が親父の息子だって知ってて助けてくれたのか」 「いや、伏せてある、恥ずかしくて言えない」 俺は怒りを露わにした。
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