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「いいか、お前はこれから我が社の社員として働いて貰う、そして、社長を目指せ」
「俺は親父の会社は継がないと言っただろう」
親父は大きなため息をついた。
「お前は命の恩人にお礼もしないつもりか」
「退院したら、会って礼はする」
「ばかもん、バイトの身で親の脛かじって、遊び呆けて、バイクを乗り回して、事故起こしたなんてみっともなくて、彼女の前に今のままの状態で、姿を現すんじゃない」
俺は握り拳に力を入れて悔しさが強くなった。
「親父、自力で親父の会社に受かって見せる」
親父は俺を見て微笑んだ。
「そうか、やれるものならやってみろ」
この時、親父は俺に期待していたとは気づかなかった。
「おい、蓮、そんな大口叩いて大丈夫なのか」
「大丈夫だろ」
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