第十六章 妊娠

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八百屋のご主人は目を見開いて驚いた表情を見せたが、すぐに満面の笑みに変わり「おめでとう」と言ってくれた。 「ありがとうございます、それで報告を兼ねて、夕飯のおかずを買いに来ました」 「そうかい、ちょっと待ってな」 八百屋のご主人は隣、またその隣と商店街を回り、美希の妊娠の報告と夕飯のおかずを調達してくれた。 「これを持っていきな、みんな喜んでるよ、改めて、美希ちゃんと来てくれ、ちょっとレンジで温めるといいよ」 「ありがとうございます、おいくらですか」 「いいから持っていきな、しばらくするとつわりが始まるから、食事の支度が出来ないだろうから、いつでもおかずを持っていくといいよ」 みんななんて心優しい人達ばかりなんだ、美希の言う通りだなと心が暖かくなる感じがした。 俺は美希の待つマンションへ急いだ。 「美希、ただいま、美希、美希」 美希は寝室で横になっていた。 「蓮さん、おかえりなさい」 「大丈夫か」
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