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 次に気づいた時には、別の部屋に移されたようだった。応接室ではないことが分かった。  天井だけが見えた。  眠っているのか起きているのかさえも分からない。  自分が何処にいるのか、どんな状態で寝ているのかも分からない。状況を確かめようとしても手足が動かない。  これって、睡眠薬なの? だったらどうして意識があるの? 意識はあるのに体が動かせない。これって一体何なの? 「また親父の尻ぬぐいかよ」  教授の息子の声が幻聴のように聞こえた。同時に息子の息が顔に吹きかかった。 「でも、おこぼれに預かれるのだからいいじゃない」  すぐそばで教授夫人の声が聞こえる。
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