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「スポーツ飲料」×「日焼け止め」×「雷雨」
お盆休みに、前から富士山の御来光を見たいと思っていたから、車で富士山に向かう。
コンビニで食料やスポーツ飲料を買う。
富士山の駐車場に車を止めて、リュックを背負い山頂を目指す。
他にも御来光を見たい人が居る、それもぞろぞろと山頂を目指す。
ライトを取り出そうとしたら日焼け止めが出てきた。
どうやらライトを忘れたようだ。
周りの人のライトの明かりで、足元は見えた。
隣に若い女の子が並んで歩く。
「良かったら、食べてください」
お盆のお菓子を差し出した。
何だか知らないがもらった。
ありがとう。
「あなたは、病気で亡くなったの」
えっ
「私は病気なの」
こいつは何を言ってるんだ。
「もうすぐ青木ケ原ですよ」
えっ、御来光じゃ無いのか。
そう言えば、いつの間にか平地を歩いている。
「青木ケ原に何か有るの?」
「人穴が有るんです、そこから冥土に行けます」
何かおかしい。
突然に稲光りがした。
雷雨だ。
俺は恐怖が押さえられなくなり、来た道を引き返した。
夢中で走る。
何、御来光が冥土なんだ?
お盆に冥土に向かう道が現れる
と言うが、本当なんだ。
すれ違いざまに、誰かに手を捕まれた。
「おう、裕太じゃ無いか」
強い力で捕まれて、外せない。
「こいつ、事故で死んだのか?」
そのまま引き連られて行く。
その時、杖を持ち髭を生やした老人が現れた。
「この男は、まだ寿命が有るから、引っ張るでない」
やっと手を放してくれた。
気がつけば駐車場に居る。
御来光どころではない、俺は夢中で自宅に向かった。
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