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「初詣」×「温泉」
新年を温泉で迎えようと一人温泉宿に来た。
元旦の朝、中居さんが朝食を運んできた。
「明けましておめでとう、お客さん、この辺りは雑煮にはアンコ餅を入れるんだ、ゆっくり食べて」
うわあ、俺はアンコが嫌いなんだ。
雑煮椀にはアンコ餅が二つ入っていた。
他に皿には大福餅が一つ乗っている。
ティッシュに包みダウンジャケットのポケットに入れた。
あとは焼き魚だ。
俺の嫌いな食べ物ばかりだ。
それから山頂に有る小さな神社に初詣に行くことにして宿を出た。
山道を登る。
急に雲行きが怪しくなり雷鳴が聞こえた。
ヤバイ
やはり土砂降りが来た。
近くの大木の下で雨宿りをした。
今年は元旦から縁起が悪いな。
すると眩しい光と大音響がして俺は気を失った。
大木に雷が直撃したのか。
あれっ
俺は記憶が失くなっていた。
俺は誰?
おいおい韓国ドラマみたいだ。
自分が居た宿もわからない。
スマホを出したが強い雷の電流でイカれていた。
頭はくらくらするが、なんとも無かった。
俺は導かれるように山頂の神社に歩き始めた。
そして包んだアンコ餅を供えた。
すると目の前に眩しい光が 現れた。
光が消えると、座頭市みたいな人が居た。
北野たけしに、そっくり。
「お前なあ、下の宿に居る女将を手伝ってやれ」
あんなボロい宿、嫌です。
すると仕込み杖を抜いて俺の頭を切った。
バサッ
何と髪の毛を全て切り落とされた。
ひゃっ
「次は首が飛ぶ」
あなた様は神さま?
「そうだ」
何故、座頭市の姿なんですか。
「うるせえ、首が飛ぶぜ」
仕方なく神様に従う。
「あの女将は毎朝、旦那が来ますようにと、お願いしている、可哀想だろ」
は、はあ
仕方なく温泉旅館を手伝っていたが、いつしか仲良くなり夫婦になった、優しくて良い女だ。
はっと眼が覚めた。
夢か?
大木は真っぷたつに裂けていた。
俺は夢の通りに神社にアンコ餅を供えたが座頭市は現れなかった。
宿に二三日泊まる。
失業中で暇だ。
それから、女将が話しかけてきた。
「良かったらしばらく手伝ってくれませんか」
俺は快諾した。
そして初夢の通りに夫婦になった、
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