「花火」×「川」

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「花火」×「川」

故郷の花火大会に父に呼ばれた。 懐かしい故郷。 母は昨年に他界した、二人の兄も仕事が忙しくて帰郷出来なくて、父と俺だけで花火をみた。 川の中洲で花火を打ち上げている。 玉数が100発らしくて、すぐに終わった。 それから家で父と酒を飲んだ。 「すまない、隼人」 父は急に土下座した。 「いきなり、何だよ父さん」 実はワシには子種が無くてな、他の人からもらったんだ。 「えー」 「みんなクローンだ、長男は有名な俳優の遺伝子、次男は有名なロック歌手の遺伝子」 「だから兄さんは俳優、ミュージシャンをして年収は億だ」 「それで、俺は誰の遺伝子?」 「実は」 「誰?」 「お母さんは宇宙人にさらわれてな、帰ってきたら妊娠していたんだ」 「俺は宇宙人の子?」 兄達は大成功して、俺だけ落ちこぼれ、宇宙人の子? その夜、深夜に昼間のような明るさになった。 外に出ると、たくさんの平安時代の衣装を着た女性や弓を持ち武装した男が居た。 「夕方に、お父様は秘密を明かされました、あなた様は月に帰る時が来ました」 えー 「俺は月の住人?」 「はい、お父様は天帝です」 「結婚出来るの?」 「もちろんです」 父親が庭に出ると大きな宇宙船が輝きながら上昇していった。 やはり、あいつは宇宙人の子か。 そして、いつまでも月を見上げていた。
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