プロローグ~理解は無理でもその病気が確実に有ることを知ろう~

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プロローグ~理解は無理でもその病気が確実に有ることを知ろう~

 世の中には様々な病気があります。  精神系の病気は特に理解され(にく)いです。  しかし精神系の病気でも、明らかに目に見える症状があるのに、それが理解出来ない人も多い。  気力や気合いの問題と考える人も多いでしょう。その人が弱いから、かかったと考える人もいるでしょう。  でも、違うのです。  私は精神系の病気だけでなく。物理的で、訳の解らない病気にかかりました。  『これ』は精神的な病気だけでなく、物理的な病気にもかかってしまった私の闘病記です。  で、先に言いたいことを一つ言ってしまいましょう。  その病気があることを否定してはならないのです。  自分が理解出来ないからと、かかった人間を否定するのは(おろ)かです。   気合いの問題ではなく、気力の問題でも、その人の弱さや強さの問題でも、運の問題ないのです。  強いて言うなら、環境と状況とタイミングでしょうか。  精神系のとある病気は、気合いも気力も枯渇(こかつ)します。どれだけ強かろうが、かかる時はかかるのです。  精神系の病気も身体的な病気も、自分がかかったことがなければ理解出来ない。それでも良いのです。  まずは否定せず。その病気が存在することを認識し、有ると認めることが重要です。  見ないふり、自分には関係ない。そして――、  それらの病気は存在しなくて、(なま)けているだけだと考えるのは思考停止です。  思考停止は、このエッセイに出てくる『宗教女(しゅうきょうおんな)』と同じとも言えます。  なので、読んで下さい。  理解出来る人も理解出来ない人も、読んで知って、考えて下さい。その病気が存在することを認められないのは危険です。  こんな世の中だから、誰がどんな病気にかかるか分かりません。    (むし)ろ、絶対にかからないと思っている人ほど危険なのです。  貴方自身、もしくは身近な人や大切な人がかかってしまった時に、自分やその人を傷つけ、追い詰めてしまわないように、理解出来なくても、その病気が存在すると知って、下さい。  壮絶、波乱万丈のこの闘病エッセイを読んで、その時に(そな)えて下さい。  これを読む貴方が、精神系や原因不明の病気にかかる日が来る可能性もあるのですから……。    
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