告白の返事 中編

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告白の返事 中編

「葵ちゃんが見てるのは優梨君だけ?」  真子は小さな声で囁くように笑顔で言う。 「えっと、うん。ん? え? え~~!」  なんで知ってるんだ? 知られている? それは何を? 私と優梨が結婚したこと? 私が優梨を好きな事?  「し~! お客さんビックリしてる」 「すみません。すみません。でも、えっと、その」 「優梨君が嬉しそうに報告してくれたよ。ハワイの写真も送ってくれた」 「え?」  優梨が真子に? それとも皆に?  「葵ちゃんも知ってるでしょ。私が優梨君好きだったこと」 「えっと、まあ、そうかなっとは……」 「一目惚れだった。かっこいいし、カリスマ性あるし、ビビッときたんだ」  真子は憂いに満ちた表情で、でも微笑みながら話しを続けた。 「私に落とせない男はいないと思ってたからさ、全然手ごたえない優梨君にどんどん嵌ってた。でもさ、手ごたえないの当たり前だったんだ」  真子は微笑みながら私の目を見た。 「優梨君はずっと葵ちゃんのこと好きだったんだね。ビーチ行った時はっきり言われた。大好きな人がいるって。あの時は誰のことか分からなかったけど、優梨君をちゃんと見ていればすぐに分かった。葵ちゃんだって」  あの時から、優梨は私のことちゃんと好きでいてくれたんだ。  バカだな、私。もっと早く気付いていれば良かった。 「……ごめん」 「なんで謝るの?」 「色々。気付かなかった自分と今まで真子たちに隠してきたこと」 「うん。大輝さんにもちゃんと伝えてきな。大輝さんはまだ知らないから」 「……うん。ありがとう」  真子の計らいでシェフと控室を使って話すことにした。 「続々新メニュー出して、皆さんに飽きられないように頑張ってますよ」  シェフは笑顔で力強くそう言った。  空元気のような気がしていしまうのは気のせいだろうか。 「ありがとうございます。ヘルシーなのに美味しいって口コミで広がってるみたいですね」 「はい。体に優しくて美味しい料理をこれからもどんどん開発していきます」 「よろしくお願いします」  少しの沈黙の後、私意を決して口を開いた。 「野風さん、すみません。私ずっと隠してきたことがあります」 「はい。知ってました」 「え? バレてたんですか?」 「僕が言うのもあれですが、分かりやすかったので。でも沢木さんが迷われているようでしたし、僕にも可能性があるのかなって」  バレバレだったのか。上手く隠しきれていたと思ったのに。 「すみません。ずっと結婚のこと隠してて」 「け、結婚?」 「はい、結婚……ん?」
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