第十三章 君と千日の夏 三

4/9
前へ
/164ページ
次へ
「したい盛りだったのだろうけど…………」  その一発も、ガッツリと一発なのだ。  真兵が武智の上に乗り、腰を振って注挿した後に、武智がガツンガツンと打ち込み、中出ししてフィニッシュになる。食事の後に、一緒に風呂に入り、中出しを洗いながら、再び一発が始まる。そして、ベッドに入って、三回はする。 「猿かゴリラの発情期みたいだ…………」 「凄いな…………」  凄いとしか言いようがない。ベッドで五回しても、朝には又一発している。そして、飽きる事なく、その日々が続くのだ。 「休日は、場所を変えて海辺のホテル」 「もしくは、別荘とかキャンプとか…………」  その頃に、最初にやった、木も一緒に愛し合うという遊びも始める。そして、森の奥で、愛し合うようになり、記録も残してゆく。 「…………コレクションがあるのか…………」 「でも、凄く幸せそうだ」  休みが近付くと、どこでやろうかと、熱中して話し合い、予約をして妄想をする。時々、些細な喧嘩もするが、互いに励まし合い、そして愛している。 「毎日が夢みたいに、楽しい…………でも、真兵は察してくる」 「そうだな、自分の母親も、夢のような恋をしたが、別れて別の人と結婚する。そして、相手の幸せを願った」  真兵は、武智の未来を見ようとして、やっと気付いた。 「……………………………………そうか」 「…………………………………………そうみたいだ」  俺達も、ここまで真面目に読んでみて、やっと違和感に気付いた。そして、最初の疑問に戻った。  何故、おいてゆけという言葉が最近になって、聞こえていたのか。コオロギが鳴いていた後に、満開の桜があったのか。  そして、真兵が失踪する前に、乃里は目を覚まさなくなった。 「真兵は、幸せはいつか終わるのだという、固定観念を持っていた」 「でも、終わらないで欲しいと願っていた…………」  その葛藤からなのか、何の理由なのか分からないが、時間軸がズレて存在しているのかもしれない。 「永遠にループしている????」 「まさか…………」
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加