第十三章 君と千日の夏 三

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 それも、在り得る。 「でもさ、この桜。あの茶室にあったか?」 「え?」  茶室は新しく、植えていたとしても、話しに出てくるような太さの幹では在り得ない。 「植えてあったとしても、支えられるほどの大きさではない」  そうなのだ、在ったとしても、人を支えられる太さではなく、まだ若木だろう。 「だから、とんでもない仮説で。二人は、未来に飛び越した」  この時代を飛び越し、二人で未来に逃避行したと、塩家が唸っていた。 「…………そんな事」  しかし、そう考えてから千の物語を読むと、納得できる部分があった。二人が言った飲食店は、その場所にはない。しかし、移転の計画があると聞いた事がある。
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