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「水瀬、いつも可愛いよな…………」
「不気味な事を言うな。追い出すぞ」
すると顔や姿ではなく、腹が減ったと言えば、渋々でも料理をしてくれる所が可愛いという。
「そうだよ、彼女やお袋だと、かなり文句を言われて、しかも作ってくれない」
「自分で作れよ」
すると、冷蔵庫の中身を勝手に使えないらしく、買い物から始めなくてはならないので面倒だという。
「いつも、作って欲しい…………そうしたら、もっと頑張れる」
「そうそう、ここに来て、水瀬の料理を食べると、二日は頑張れる」
ここはレストランなので、ランチの時間に来てくれれば歓迎する。
「水瀬!!いつも料理を作って!!」
「ランチに来い!」
俺が倉繁に絡まれていると、塩家がやって来て、賄い料理を食べ始めた。すると、倉繁と野々村が、顔を見合わせた。
「塩家君!話をしたかったよ。いつも忙しそうで声を掛けられなかった!!」
忙しそうではなく、本当に忙しいのだ。
しかし、野々村も大きく頷いていた。
「そう、不思議な事があってさ。でも、正気か?と思われるから、誰にも言えなかった」
「そのまま、誰にも言わない方がいいのでは?」
その、誰にも言えないのに、俺達には言える基準は何だろう。
「夜釣りに行った時だよ」
そして、俺達の嫌そうな表情など気にせずに、倉繁が説明を始めた。
倉繁と野々村は、一緒に夜釣りに行く事も多いらしい。それは、仕事が終わってから待ち合わせをして出発し、そのまま朝まで釣りをすると、車で仮眠して帰るというものだった。
「そう、その日も、深夜に出発して、朝まで釣りをしていた」
釣り自体には、不思議な事が無かったらしい。
「行った場所は、半島の崖。丘の上に大きな病院がある。そこは超有名な病院で、大きな庭園もあって、散歩している人も多い」
「昼間はね」
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