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だが、分析すると、陽洋のランチはいつもの店で、特別ではないらしい。
「水はいいです!あれは美味しい。サラダも劇的に美味しい!!でも陽洋のランチは、ディナーにある華がない!」
「陽洋のディナー、特に高島さんの時は、料理が感動なのだと言います」
俺はランチが日常なのだと思っていたが、二人は金を出して食べるのならば、ランチにも感動が欲しいという。
「そういうものか…………」
「美味しいです。嬉しいです。そこに感動も欲しい」
洋平のディナーは、心に響くものがある。俺のランチには、それが無いという。
「贅沢ですか?」
俺もプロなので、頑張ってみたい。
「…………やってみるよ…………」
「あの、水とサラダは最高ですよ。あとは、料理です!!」
最高があるので、あんなに人が通うのだと、二人の学生が納得していた。
「祠堂さんは、色々ありますが、役者としては凄いです。端役でも、決して手を抜く事がない。又、主人公で見てみたいです」
役者としてはと、限定を付ける気持ちは分かる。
「演技に華がある。でも、そのせいで主人公をくってしまう」
脇役に目がいってしまい、メインのストーリーがどうでもよくなってしまうらしい。
「まあ、水瀬さんも一緒です。水が美味過ぎて、料理が霞む時がある。それに、水を飲みたくて、店に行ってしまう」
「深海の謎の水、竜宮水とか、奇跡の美味さです!!!!飲むと、自分も謎の存在になった感じになる」
水が美味しいので、他が霞むという事もあるらしい。
大学生は、遠慮もなく論じてくれるので、とても参考になるが、心にグサグサと刺さる。メンタルな部分が弱い俺は、立ち直れるだろうか。
「それと、祠堂さんが店員とか…………まるでドラマの中のようで、ずっと店内を見ていたくなりますよ」
「そこに、水瀬さん!!役者じゃないところが初々しくて、抱き締めたくなると、彼女がよく言っています」
男に言われていなくて良かった。
「二人とも、見た目が抜群にいいですからね………………」
「でも、親しみやすいと分かって、通いたくなりました!」
学生は次の駅で出てゆくと、ホームで大きく手を振って見送ってくれた。
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