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「だって、この真理姉の弟だよ!? それは好きになるでしょ!! もうね、大大大好きだもん!!」 今日も私がそう言うと、真理姉はまたクスクスと笑っている。 「でも、彼氏と彼女には・・・ならないんでしょ・・・?」 「彼氏と彼女になんてなりたくない!!」 「いつも聞いてるけど・・・どうしてだろう・・・?」 今日もそう聞かれ・・・私は少し考えて・・・ 「分かんない・・・。 でも、彼氏と彼女なんて嫌だ。 私はお兄ちゃんと妹で結婚したい。」 「豊・・・彼氏と彼女じゃないから・・・悩んでるんだとは思うよ?」 お姉ちゃんが言うとおり、お兄ちゃんはそれで悩んでいるんだと思う。 それで先には進んでくれないんだと思う。 それは分かる。 それは分かってる・・・。 頭では、分かってる・・・。 でも・・・ でも・・・ 「どうしても、嫌・・・。 だって、お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん・・・。 私が大大大好き好きなのは、お兄ちゃんなんだもん・・・。」 「そうだよね・・・。 豊も、そんな理子が大大大好きなんだと、思うよ・・・。」 お姉ちゃんがそう言ってくれて、私は頷きながら少しだけ泣いた・・・。 そして、それから聞いた。 「この唐揚げ、少し貰って帰ってもいい?」 「うん・・・!その為に、多めに揚げたの! 理子の会社の副社長さん・・・小町さんから教えて貰った唐揚げ・・・!」 真理姉がそう言って笑って、大きなタッパーを取り出してくれた。
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