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「りーちゃん・・!!」 お兄ちゃんが焦った様子でそのオバサンの方を向いた。 「すみません、妹です・・・。」 「若くて可愛い子からオバサン言われるとグサッとくる・・・!!」 オバサンは取り繕うこともなく、そう言って口を大きく開けて笑っている。 そして、私を見てきた・・・。 「お母さんにはいつもお世話になってます。 理子ちゃんのお母さんの会社の後輩で、私も去年からこの大学院で勉強してるの。」 そう、言われて・・・。 「オバサンも、大学院で税理士の科目免除制度利用してるの?」 「そう、ここで取りきったら全部の科目が取れるんだよね!」 そして、オバサンが口を大きく開けながらお兄ちゃんの方を見て・・・ 「岩渕さんの息子さんも通ってるって聞いたから、私から声掛けちゃった。 お父さんとよく似てるしすぐ分かったよ!」 そう言って口を大きく開けて笑うオバサンは・・・ そんなにオバサンでもなくて・・・。 本当は、オバサンでもなくて・・・。 お兄ちゃんより少しだけ年上くらいの、オバサンだった・・・。
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