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 入学してすぐにこのサークル『フレア』に入部し、郁海と出逢って五か月が経つ。  彼への恋情を自覚したのは、六月公演の準備中だった。それぞれの公演の練習期間は約一か月。    脚本が上がらないため稽古の大半がストップしていた状態で、新入生の祥真も多くの上級生と会話する機会が増えていた。  初めて見たときから、郁海に惹かれていた。  なんの興味も関心もなかった演劇サークルに入ったのも彼がいたからだ。正直誘われたときは「面倒だなぁ」としか感じなかったのに。  新入生勧誘(新歓)で断りきれずに部室まで連れて来られて、どうにかして抜けて帰ろうとしか考えていなかったのだ。  部室で待っていた郁海に会うまでは。  本当に普通の人間なのか、アンドロイド(作り物)ではないのかと見紛うほどの整った容姿よりも、生気に溢れたあの輝く瞳に瞬殺された。  結局は一目惚れではないのかと問われたら完全には否定できない気はするのだが、それは今だからこそだ。
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