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自分にも関係する話しとなると、リュンのように保護された子供のことだろうか。食事を用意してほしいと頼まれたことがあるからだ。
忙しくなるのだからお昼を一緒に食べられなくなるからと、理由ができて心の奥でほっとしている自分がいた。
いつものように屋上でお弁当を広げて食べ始める。
「ライナー先生、途中でジェラールに会ったんだけど、話があるんだよね」
「あぁ。今年、保護施設で成人の儀を迎える子がふたりいるのだが、パン屋で雇ってはもらえないだろうか」
パン屋で誰かを雇うという話しは躊躇いが生じた。ミヒルの一件があったからだ。
彼のしたことは理解できないし憤りしかない。結局は子供たちを売買目的で捕えようと店を利用されたのだ。自分も罪に加担した、そう思い落ち込んだ時もあった。だがバードとしての彼は嫌いではなかった。だから余計につらかった。
誰かを雇うのは正直言って怖い。裏切られてしまったらと思うと。
「エメの気持ちはわかるが、ふたりに会ってみないか?」
気持ちを分かったうえで話すのだから、その相手のことを知っているのかもしれない。
しかもエメにとってもプラスになることなのだろう。後は自分の気持ち次第か。
「会うだけなら」
ただ働きたいというのなら断るつもりだ。
「今晩、連れて来ても?」
「いいよ」
ふたりを連れてくるのなら夕食の用意も必要だ。菓子パンを何個かとっておこう。
どんな相手なのかを思うと気は重いが、家へと招くのだから美味しい料理でもてなしたい。
店を早めに切り上げようと休憩時間を減らして店に戻ることにした。
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