揺れ動く心

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 夕食のメニューは揚げ鳥肉と焼いた肉の塊を薄く切ったものを野菜にのせてタレをかけたもの、干し肉のスープとパンだ。  肉の塊は既にパン窯で焼いておいた。鳥肉は焼き縮みを防ぎ、味馴染みが良くするためにフォークで穴をあけておいた。  スープはカブーラという白い野菜と干し肉を入れる。カブーラはとろけるような触感と肉の旨味をよく吸うのでスープに入れると美味い。  そろそろ鳥肉の調理に取り掛かろうとしていた時、ライナーが双子の獣人を連れて帰ってきた。 「ライナー先生、おかえりなさい。そしていらっしゃい、ふたりとも。俺はエメっていいます。お名前を聞いてもいいかな」 「はい。俺はギー、そして弟のルネです」 「今日はお会いできて嬉しいです」  ふたりは礼儀正しく頭を下げて挨拶をすると手を差し出した。保護施設では成人の儀を終えて大人の仲間入りをした獣人が一人でやっていけるように礼儀作法や勉強を教えていると聞いたことがある。 「よろしくね」  その手を握りしめると、改めて部屋へと上がるように促した。 「いいにおいがするな」  そうライナーが口にし、ギーとルネもクンクンと匂いを嗅いでいた。 「ご飯の用意をしているから食べて行ってね」  ギーとルネを誘いテーブル席へと向かう。出来上がった料理は既に並べてあるのでそれを見たふたりの耳と尻尾が立ち上がる。 「うわぁ、美味しそう」 「いいんですか?」 「もちろん。ね、ライナー先生」 「あぁ。エメの作る料理は美味いぞ」  座ってと並びの椅子を引くが、ギーとルネは立ったままだ。 「どうしたの」 「あの、お食事の前によいでしょうか」  そう断りを入れる。
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